03.未発達的マインド
消太さんが退院した。 包帯ぐるぐる巻きでミイラ男みたいだった。捕縛布も包帯のようだから余計にそう見えた。 とはいえ、それ以外はいつも通りの消太さんだった。早く包帯取れて全快してくれたらいいな。 さて、前回消太さんに「好きです」「惚れさせて…
非合理的恋愛
閑話2:相澤先生視点
これは、イシュカの教育係になって3ヶ月が経った頃の話だ。「……誰だお前」 職員室に女児がいた。5~6歳くらいか。明らかにうちの生徒ではない。 その顔、見覚えがあるな。 イシュカの席に座っているということは……。「もしかしてお前、イシュカか…
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02.非人道的クライシス
私はあれから、慌ただしい毎日を送っていた。 イレイザーさんは1年A組、ブラドキングさんは1年B組の担当になり、私はそのA組とB組の補佐となった。そう、副担任ならぬ副々担任ね。オールマイトさんと一緒に頑張る所存だ。 仕事以外でのイレイザーさ…
非合理的恋愛
閑話1:相澤先生視点
初めてイシュカ・ジェリーに出会った日のことは、今でも鮮明に覚えている。 というより、忘れたくても忘れられない。 あの記憶の中のイシュカは、随分と――「ラブコメのヒロイン」であったし、俺は所謂「ラブコメの主人公」で、「ラッキースケベ」という…
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01.非王道的コンタクト
「イシュカの“個性”は魅了系ではなかったよな?」「そうですよ。何ですか急にそんな」 空腹を紛らわせるため何か飲もうと席を立ったところで、イレイザーさんに私の“個性”を訊かれた。おかしな話だ。私が雄英高校に赴任して1年ほど経つというのに(4月…
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