合理的な結末を

※カラスバさんにヤ○ザしてほしかった産物
※言葉や設定など捏造だらけです

 

 

 

 ……ようやっとるみたいやな、ジプソ。

 それで、どちらさん? ふうん……、ははっ。
 これがそうなん? オレも見る目が鈍ったんかな。正直、あんなことやれそうなタマには見えへんかったけど。

 これから訊くところやった?
 ええからええから。オレがやるわ。

 初めまして、やな。
 オレが誰かは……もう知っとるみたいやけど。
 そやな、サビ組のカラスバや。

 ん? ああ、オマエの言う通りや。一番偉い立場、いうことになるんかな。
 ボスなあ……。オレはイヤやったのに、押しつけられたんや。って、オマエに言うてもしゃあないわな。関係あらへん話や。

 ……はあ。
 随分怯えてるみたいやけど、不思議やなあ。
 オマエ、こうなること、分かってたんちゃう?

 ほら、よう言うやろ。「人のもん盗ったら泥棒」ってな。お金なら尚更やで。

 ……あのな。

 あのお金はな、オレらサビ組がミアレシティを汗水垂らして走り回って、集めたもんや。
 それをやで? うちの子分から「盗まれた」言われたら、そら必死になって取り返すに決まっとるやろ。

 痛めつけられる予想?
 火を見るより明らかやん。

 ……ああ。オマエのポケモンはこっちで回復させといたから、気にせんでええ。まずは自分の心配しとき。

「何するつもりだ?」か。

 はあ……今の返事、あんまおもろないなあ。点数つけるなら、オマケして20点くらいやで。

「オマエたちのそれは盗んだ金だろ。それを盗んで何が悪い」?

 ……あかん。今度は5点や。オマエ、ほんまに笑いのセンスないなあ。

 これはな、オレらが本来受け取るはずの、正当な報酬や。
 お金に限らず、借りもんは返す――この世の道理やろ。

 うちは慈善事業ちゃうから、利子は取るけどな。

 ……あんま分かってへん顔しとるな。オレら、お天道さんに顔向けできへん商売なんかせえへんよ。
 せいぜいサングラスかけて、お天道さんを直視するくらいや。……せやからサビ組は、子分まで眼鏡やら掛けとるんやな。

 ……今の笑うとこやで。

 ……はあ……あんまり時間ないさかい、簡潔に言うわ。

 オマエ、後ろに誰がついとる?

 オレはな、大体のことは知ってんねん。

 オマエがミアレシティに来たんは、半年前。
 最初はキオスクでバイトしとったよな。……なんやその顔。とりポケモンが豆鉄砲くらったみたいな顔しよって。

 まあええわ。
 話、続けるで。

 そこから1ヶ月も経たんうちに辞めて、バトルロワイヤルでブイブイいわせとったらしいな。
 強かったんやろ? せやのに、それもすぐ参加せんようになった。

 で、今は配達のバイト……やったか。
 配達、配達なあ……。

 オレの目、見てみ。
 なんや、お天道さまどころかオレの目も見れへんのか。

 ……配達。ほんま便利な言葉や。
 ほんまはオマエ、運び屋やろ。

 ……。

 大体3ヶ月前の話や。

 ミアレシティの外から、妙な葉っぱが持ち込まれた。

 ポケモンに使うハーブがあるやろ。ああいうもんはな、安全性や認可やら、ぎょうさん面倒な手続きを踏んで、ようやっと出回るもんや。

 勝負におけるポケモンの「性格」を変えてまう代物やからな。それくらい厳しく管理されてて当然やろ。

 せやけどな、最近ミアレに流れ込んできた「それ」は、安いだけの粗悪品。三流以下や。

 技の威力が上がって、ポケモンが強く育つ。
 その代わり、ポケモンの行動がおかしなる。
 トレーナーの指示を聞かんようになって、怪我人も出た。症状は……そうやな、「こんらん」に近い。

 しかもや。それをトレーナーにも使える、言うて売っとるらしい。

 使うと頭が冴えるんやと。
 せやけど依存性が高い。

 しまいには、それがないと生きていけんようになる。

 実はな、前から子どもらに聞いとってん。最近、妙なもんが流行っとるって。

 それ使うたら最強のトレーナーになれるんやと。

 それからや。バトルロワイヤルで、「それ」を使うとるトレーナーとポケモンを、よう見るようになってな。うちのもんが大怪我してから、腰据えて色々調べ始めたんや。

 ……早めに気付けてよかったわ。
 使うとるのは、まだ一部だけや。今から治療すれば、元に戻るって医者の先生も言うてはったわ。

 ほんま、不幸中の幸いやな。

 けど、それで「はい終わり」っちゅうわけにはいかん。

 どこの誰が、ミアレをカモにしたんやろなあ。

 デカいシノギになる思うたんやろな。
 せやけど――情報がだいぶ古いねん。

 サビ組のボスがオレになった以上、締めるとこは、ちゃんと締めなあかんやろ。

 ……ここまで言うたらもう分かるな?

 オレは、ここに「それ」を持ち込んだヤツを知りたいんや。

 売人、運び屋……その大元。

 オマエは金に目がくらんで、運び屋のバイトに手ぇ出した。せやけど、危ない橋渡っとる自覚はあった。それで、辞めたくなったんやろ。

 まあ……世の中、そんなに甘うないわな。

 一度裏に足突っ込んだら、逃げたくても、そう簡単には逃がしてもらえへん。

 でや。足抜けの条件として提示されたんが、サビ組の金を盗め、っちゅう話や。

 ……この辺りやないか?

 どうや。だいたい当たってるやろ。
 探偵事務所も、商売上がったりやなあ。

 そもそもな、オマエも分かっとったんちゃうんか。

 サビ組の金を盗んで、なんになる思たんや。

 分かりやすう言うで。

 オマエの後ろにおる連中がな、オマエの始末を、サビ組に押しつけたっちゅう話や。

 自分らは手ぇ汚さずにな。

 ……今更泣いたところで、しゃあないやろ。

「自分はどうなりますか」って?

 はあ……。溜め息つかせるの上手やな。この調子やと、オレの幸せも逃げてまうで。

 ええか。
 オマエが選べる道は、2つだけや。

 1つ。ここから無理やり逃げて、後ろにおる連中に助けてもらう。

 2つ。今までのことを洗いざらい吐いて、オレらの役に立つ。情報次第では、オマエをサビ組の庇護下に置いてもええ。
 ただしや。オレが振る仕事は、きっちりこなしてもらうで。

 オマエは、どっちや?

 ……そやろなあ。
 オレは、賢い奴が好きやで。

 ほな、早速仕事の話をしよか。

 何がええやろなあ……。
 バトルロワイヤルに出られる体力。
 ジプソとも張り合える、ポケモン勝負の腕。
 ミアレシティの地理も、ちゃんと頭に入っとる。

 そういえば、真っ先に自分のポケモンの心配しとったよな。その姿勢、オレは嫌いやないで。

 ……ああ、ちょうどええのがあったわ。

 最近できたワイルドゾーン、知っとるよな。

 あそこにな、最近「オヤブン」個体がぎょうさん見つかっとる。
 しかもや。オマエが運んどった葉っぱをな……、なんの因果か、吸い込んだらしい。あそこでトレーナーが使うて、襲われたんやろな。暴れまくって、もう手ぇつけられへん。

 ああ、それとな。
 あの葉っぱ、加工前のもんが紛れとったんやろな。自生力が強すぎて、このままやと生態系を壊しかねん勢いや。

 ――元に戻るまで、草刈りしてもらえへんか。その分、報酬は弾んだる。

 悪うない話やろ。あいつらとも、きっぱり縁が切れるで。

 ……泣くほど嬉しいんか。オレもな、オマエと話つけられて、ええ気分や。

 ジプソ。この人にハンカチ貸したって。
 せっかくのええ顔が、台無しや。

 ほな。これはちゃんと本人に返したってな。

 そのまま盗んで逃げたら――あかんで。

【終】

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